
つみたてNISAは「投資信託」もしくは「ETF」に投資行うことになりますが、これらの商品は、金融庁が指定している商品(銘柄)のみに限られています。
証券会社や銀行などで、これらの商品を購入することができますが投資信託で運用を行うには様々な手数料がかかります。
と思う方多いと思います。
そこで今回は投資信託で運用する際にかかる手数料や商品間での比較、つみたてNISAでかかる手数料について見ていきます。
- 投資信託の手数料には何があるのか解説
- つみたてNISAによる運用に必要な手数料を解説
- つみたてNISA対象の投資信託の信託手数料を比較
投資歴20年のかいまるです。NISAも活用して1500万円以上の資産を運用しています。
2018年1月にスタートしたつみたてNISA(ニーサ:少額投資非課税制度)。
結論から言うと、金融庁の指定した手数料の低い投資信託がつみたてNISAの対象となっているので、手数料を抑えた運用を行って行くことが可能です。
つみたてNISAの手数料にはどのようなものがある、商品ごとの手数料違いはどれくらいか見ていきましょう!
Contents
投資信託の手数料には何がある?
投資信託で運用をする際の手数料は大きく3つです。具体的には、以下のような手数料がかかります。
①購入時手数料
購入する際に販売会社に支払う手数料。購入手数料無料のノーロード投資信託を選ぶべきです。
②信託手数料(信託報酬)
運用中に運用額に応じて◯%をかけた金額がかかります。
③信託財産留保額
中途解約手数料のようなもの。この費用がかからない投資信託も多いです。
通常の場合、投資信託は購入時手数料、信託手数料、信託財産留保額の利率が異なります。これらの手数料を比較しながら商品(銘柄)を選ぶことがとても重要ということです。
これらのコストは、投資信託で利益や損失にかかわらず生じることになります。なので、似たような投資信託であれば、コストの低い商品の方がおすすめとなります。
つみたてNISAでかかる手数料は?
つみたてNISAで対象となっている投資信託は、安定的に資産形成できるよう長期・分散投資に適した商品を金融庁が指定しています。
これらの商品は、
①販売手数料が0円(ノーロード)
②信託手数料が低い(法令で制限)
③頻繁に分配金が支払われない
という特徴があります。
なので、つみたてNISAで対象となっている投資信託は、販売手数料が「ノーロード=0円」かつ、信託手数料が低い商品ということです。
信託財産留保額については、商品によってかかるものとかからないものがあります。
実際につみたてNISAで投資信託を選ぶ際に、信託手数料率について高いのか低いのか、信託財産留保額がかかるのかを確認すべきということです。
信託手数料は低いものを選ぶのが鉄則
つみたてNISAでは、口座開設費用や運用管理費、そして購入手数料はかかりません。
運用する商品によって信託手数料が異なってきますので、同じタイプの商品であれば信託報酬が低いものを選ぶのが鉄則です。
この信託手数料は年率0.1%以下のものから1%を超えるものまであり、最長20年、常に手数料負担があることを意識する必要があります。
例えば、100万円を積み立てた場合の信託手数料については、以下のようになります。
①信託手数料が0.1%の場合…年間1,000円
②信託手数料が1%の場合…年間10,000円
なので、100万円を投資したとしても、信託手数料率によって手数料には大きな差が生じることがわかります。
もちろん信託報酬が低くてもリターンが悪い商品だと本末転倒ですが、同じようなタイプの投資信託であればリターンはそれほど差が出ません。
同じような内容のファンドを比較する際には信託報酬の低い方から検討するべきです。
つみたてNISAの信託手数料は商品によって違う?
それではつみたてNISAの対象となっている投資信託の信託手数料を比較してみましょう。
具体的には以下のカテゴリーの投資信託ですね。
- インデックス型の投資信託
- バランス型の投資信託
- アクティブ型の投資信託
- 元本割れの可能性が低い投資信託
信託手数料の比較①:インデックス型の投資信託
インデックスタイプの投資信託は、日経平均株価やTOPIX、S&P500などの株価指数(インデックス)と連動する運用が行われるもの。
インデックスファンドとも呼ばれています。国・地域の経済や世界経済が成長すれば長期的な上昇が期待できる上、手数料が安いことた特徴です。
主な商品と信託報酬は以下のとおりです。
商品名 | 信託手数料 | 連動指数 |
---|---|---|
SBI-SBI・バンガードS&P500インデックス・ファンド | 0.0938% | S&P500 |
三菱UFJ国際-eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | 0.0968% | S&P500 |
eMAXIS Slim先進国株式インデックス | 0.1023% | MSCIコクサイ・インデックス(配当込み、円換算ベース) |
大和-iFree S&P500インデックス | 0.2475% | S&P500 |
楽天・全米株式インデックス・ファンド | 0.1620% | CRSP USトータル・マーケット・インデックス(円換算ベース) |
One―たわらノーロード 先進国株式<為替ヘッジあり> | 0.2200% | MSCIコクサイ・インデックス(円換算ベース、配当込み、為替ヘッジあり) |
野村―野村インデックスファンド・外国株式・為替ヘッジ型 | 0.6050% | MSCI-KOKUSAI 指数(円ベース・ 為替ヘッジあり) |
三菱UFJ国際―eMAXIS Slim全世界株式 | 0.1144% | MSCI オール・カント リー・ワールド・インデックス (配当込み、円換算ベース) |
楽天―楽天・全世界株式インデックス・ファンド | 0.2120% | FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス(円換算ベース) |
三菱UFJ国際―eMAXIS Slim新興国株式インデックス | 0.1870% | MSCIエマージング・ マーケット・インデックス (配当込み、円換算ベース) |
大和―iFree 日経225インデックス | 0.1540% | 日経225 |
ニッセイ日経平均インデックスファンド | 0.1540% | 日経225 |
三菱UFJ国際―eMAXIS Slim 国内株式(日経平均) | 0.1540% | 日経225 |
ニッセイTOPIXインデックスファンド | 0.1540% | TOPIX |
三菱UFJ国際―eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | 0.1540% | TOPIX |
これらを見ると約0.1%〜0.2%程度のものということになります。
同じ指数(S&P500、先進国株式)であれば運用リターンがほぼ同じなので、信託報酬が低い商品の方が有利ということになります。
信託手数料の比較②:バランス型の投資信託
バランス型ファンドは、株式・債券・リートなど複数の資産タイプを組み合わせることで、分散効果を高めて安定的な運用を行うものを目指すもの。
株式タイプのものと比較して長期的なリターンは低くなりますが、値動きが安定しているので、リーマンショックやコロナショックなどの株価暴落があった場合でも運用成績は底堅いものとなります。
主な商品の信託報酬は以下のとおりです。
ファンド名 | 信託手数料 | 投資対象 |
---|---|---|
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 0.1540% | 国内外株式・債券・リート |
ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型) | 0.1540% | 国内外株式・債券 |
三井住友DS―三井住友DC年バランス50(標準型) | 0.2530% | 国内外株式・債券 |
信託手数料の比較③:アクティブ型の投資信託
アクティブ型の投資信託は、指数(インデックス)を上回る運用を目指す投資信託で、インデックス型の投資信託に比べると信託手数料が高くなります。
通常の場合インデックスファンドに比べてハイリスクハイリターンですね。大きな利益を生む可能性がある反面、ファンドマネージャーの能力にも左右されることもあり、元本割れのリスクは高くなります。
ファンド名 | 信託手数料 | 投資対象 |
---|---|---|
ひふみプラス | 1.0780% | 国内外株式 |
コモンズーコモンズ30ファンド | 1.0800% | 国内大型グロース株式 |
ひふみプラスは、資産運用会社のレオス・キャピタルワークスが運営する人気の商品。
インデックスファンドに比べて信託報酬は高めですが、より積極的に資産を増やしたいと考える人には良いかもです。
信託手数料の比較④:元本割れの可能性の低い投資信託
債券資産の割合が高く、元本割れの可能性が低い投資信託もあります。
つみたてNISA対象のファンドには以下のようなものがあります。
ファンド名 | 信託手数料 | 投資対象 |
---|---|---|
ニッセイーDCニッセイワールドセレクトファンド(債券重視型) | 0.1540% | 国内外株式・債券 |
大和―ダイワ・ライフ・バランス30 | 0.1980% | 国内外株式・債券 |
元本割れの可能性が低いということは、期待されるリターンも大きくないということなので、信託手数料の低い商品が有利ということになります。
元本を減らしたくない、安定的に運用したいという人に向いた商品といえるでしょう。
運用方法別に投資信託にかかる手数料は?
参考までに、投資信託にかかる手数料について「つみたてNISAで運用」「一般に販売されている投資信託で運用」「iDeCoで運用」の3つについてまとめてみました。
内容 | つみたてNISA | 一般に販売される投資信託 | iDeCo |
---|---|---|---|
購入時手数料 | なし | 商品次第 | なし |
信託報酬 | あり | あり | あり |
信託財産留保額 | 商品次第 | 商品次第 | 商品次第 |
口座管理手数料 | なし | なし | あり |
これを見ると、つみたてNISAでの運用は節税上のメリットだけじゃなく、コストも比較的低くなるのがわかります。
つみたてNISAは、販売手数料がかかることはないほか、NISA口座の口座管理手数料といったものがかからないんですね
投資信託を売却した時にかかる信託財産留保額(解約手数料)も、商品を選ぶ際に、かからないものを選択することで、こちらも負担がありません。
「つみたてNISAの手数料の比較は?」まとめ
今回はつみたてNISAの手数料の比較ということで、どんな手数料がかかるか、商品ごとの信託手数料はどれくらいか比較していきました。
結論をいうと、
- つみたてNISAの対象商品は購入手数料がかからない
- 同じタイプなら信託手数料が低い商品が有利
- 解約手数料のかからない商品を選んだ方が良い
ということです。
手数料は投資信託の運用成績にかかわらず支払う必要があるものなので、できるだけコストを下げて運用することがトータルリターンをあげる上では重要ということです。
またインデックス型よりもアクティブ型の方が信託手数料が高くなる傾向があります。
なので日経平均やS&P500指数と同程度の成績で十分ということであれば、無理に高いリスクをとってアクティブ型にする必要はないと思います。
それでは。