
iDeCoは、現在の職業や企業年金に加入しているかなどの条件によって積み立てることができる金額に違いが出てきます。
無職になってしまった方や、専業主婦の方がiDeCoを利用してメリットがあるのでしょうか?
そこで今回は無職になった方がiDeCoを利用するメリットがあるのかに焦点を当てて、解説していきます。
- iDeCoをやるべき人、そうでない人を説明
- 無職の方は、iDeCoのメリットがない理由を解説
- iDeCoに加入していて、無職になったらどうする?を解説
自分は投資信託を中心に1500万円以上の資産を運用しています。
制度ができた時からiDeCoを活用しているので、その経験を踏まえて記事を書きました。
利用前に絶対知るべきポイントなので、ぜひ最後までご覧ください。
Contents
そもそも無職の人はiDeCo(イデコ)に加入できるの?
結論からいうと、一定の条件を満たせば無職の方でもiDeCoに加入することができます。
- 年齢が20歳以上60歳未満であること(国民年金の被保険者になっていること)
- 無職の場合は、過去に国民年金保険料の未納や免除期間がないこと
国民年金保険料の免除又は猶予を受けている方は原則、加入できません。また、企業型確定拠出年金の加入者の場合、事業主が企業型確定拠出年金規約を変更しなければならないなどの諸条件がありますので、詳しくは運営管理機関などにご相談ください
年齢制限の部分は、問題なく理解できると思いますが、注目ポイントは「無職の場合は、過去に国民年金保険料の未納や免除期間がないこと」という部分。
現在、無職の方は、これまでの国民年金保険料をすべて納付していないとiDeCoに加入できない、ということになります。
これは、無職であっても1ヶ月あたり約16,000円の国民年金保険料を滞ることなく納め続けていなければ、iDeCoに加入することができないということです。
実際問題として、一般的に無職の方は、経済的な余裕がない場合が多いと考えられるので、iDeCoに加入して毎月積み立てを行うのはかなり困難かと思います。
無職はiDeCoに加入するメリットがないの?
無職の方がiDeCoへ加入するには国民年金保険料の支払いが要件となっていて、若干ハードルが高い状況です。
仮に無職でiDeCoへ加入することができる要件を整えたとして、iDeCo活用にメリットがないといえる理由は、
- 60歳まで受け取ることができない
- 所得がないと掛け金を控除できない
- 手数料がかかる
- 経済的な負担が大きい
ということです。それぞれ見ていきましょう。
無職メリットない①:60歳まで受け取ることができない
iDeCoの加入年齢は20歳以上60歳未満となっているので、実際の受給開始年齢は原則60歳以降となります。
なので最長で40年間という長期間にわたり継続となるんですが「お金が必要になったので…」と思っても、途中で資金を引き出して使うことはできません。
無職で「もうやめたい」と思っても、解約することはできないんですよね。
積立を中止することはできますが、運用はその後も続くこととなり、年金として受け取ることができるのは60歳以降です。
無職メリットない②:所得がないと掛け金を控除できない
iDeCoの最大のメリットは、老後のお金を貯めながら節税ができること。
所得から掛け金部分を控除できるので税金が減らすことができるんですね。
無職の場合ですと、基本的に収入がない、もしくは低収入と考えられるため、所得税や住民税がかかってない方が多いと考えられます。
結果的にiDeCoに加入することで得られる所得控除を全く活かすことができないということです。
無職メリットない③:手数料がかかる
iDeCoを活用して資産を積み立てる場合には、以下のような手数料が発生します。
iDeCoを申し込んだ金融機関が、「運営管理機関」になります。
これとは別に2つの機関が関わるため、それぞれに手数料を支払う必要が出てくるんですよね。
無職となったので、一時的にiDeCoを使わない期間があった場合でも手数料が徴収される点には注意が必要です。
税制面で大きなメリットのあるiDeCoですが、普通に株式や投資信託での運用に比べて手数料が余計にかかってくるのは大きなデメリットといえます。
無職メリットない④:経済的負担が大きい
無職の方でiDeCoへ加入するということは、毎月のiDeCoに加入する掛金を支払うことになります。
加えて国民年金保険料をも負担しなければなりません。
通常の場合、無職の方は毎日の生活費がかかるなか収入が無いという状況です。
その中で、これらをいずれも継続していくことは経済的な負担が大きいと考えられます。
無職でもiDeCo活用にメリットのある人は?
無職の方でも、何らかの定期的な収入があって所得税や住民税を支払っている場合は、iDeCoに加入することで節税メリットを受けることができます。
例えば、”無職”と言って良いかは別として、不動産投資や副業で成功して早期退職したり、セミリタイアした人なんかが当てはまりそうです。
しかし、iDeCo以外で運用する株式の配当金や投資信託の分配金などは、他の所得と分離して課税される”分離課税”となるため、iDeCoを活用していたとしても控除できません。
無職になったら加入していたiDeCoはどうなるの?
会社を退職して専業主婦・主夫になる方もいれば、資格の勉強や学業に専念するために一時的に無職になる方もいると思います。
そのような場合でもiDeCoは継続できますが「移換手続」と呼ばれる手続きを自分で行わなければなりません。
移換手続とは、運営管理機関(金融機関)に対してiDeCoの加入者資格喪失届の手続きを行うというものです。
iDeCoの加入条件を満たしていれば、引き続きiDeCoの加入者として資産運用を継続するか、新たに掛金を出すことなく金融商品の運用だけを行うかを選ぶことになります。
これは6ヶ月の期限内に絶対に行うべき手続きなんですね。
というのは手続きをしない場合、運用してきた資産は現金化され、国民年金基金連合会に「自動移換」されることになってしまいます。
この自動移換の際にはおよそ4,000円の手数料がかかるだけでなく、移換後は毎月の管理手数料も資産から差し引かれます。
資産運用されずに手数料だけが取られていくといった最悪な事態に陥ることになります。
「iDeCo(イデコ)は無職になったら意味ない?」まとめ
今回は、無職の方がiDeCoに加入するメリットがあるのか、無職になったら加入していてiDeCoはどうなるのか、などについて見てきました。
記事のポイントをまとめます。
- iDeCoは国民年金に加入し過去に未納などがないことが加入要件
- 収入のない無職の方はiDeCoに加入するメリットは乏しい
- iDeCoに加入していて無職になった場合でも要件を満たせば継続は可能
- その場合、6ヶ月以内に手続きを行うことが重要
収入のない無職の方だと、国民年金の支払いだけでも大変なので、経済的にiDeCoに加入することはできない方が大半かと思います。
所得税などの税金を支払っていなければ、税制上のメリットを得られないばかりか、掛け金支払いのために生活費を圧迫してしまうので、iDeCoに加入するメリットはほとんどないと言って良いでしょう。
それでは。